映画を見終わった後に首を拭いたのは初めて2011年06月02日 20時00分18秒

今朝、テレビでクールビズの話をやっていました。業務内容などによっては着替える必要があるという話に、キャスターが「例外を作ってはダメなんですよ」と反論をしていました。でも、お葬式の時、火葬場の人がアロハシャツを着ていたら?死刑を宣告する裁判長がポロシャツ姿だったら?やっぱりまずいですよね。極論かもしれませんが、全ての職場が等しくクールビズにという考え方には賛成できません。

さて、今日は長女の高校の体育祭の予定だったのですが、雨のために中止になりました。映画でも観に行こうと調べたら新宿で「阪急電車」の日本語字幕上映をやっていました。ところが字幕が付くのは、朝9時の回のみです。平日の、しかも午前中に映画を観に行ける人なんてなかなかいないですよね。

という訳で結局「阪急電車」は止めて、「八日目の蝉」を観に行きました。最初は、原作をどのくらい描けているかな?と少しナナメから(座席にはまっすぐ座っていましたが)観ていました。

でも、原作者の角田光代さんも「小説は書き終えて手放した時点で、作者のものではなくなる・・・映画化されるということは、誰かのものになった世界を味わわせてもらうこと」と語っているように、原作と映画を比較すること自体が間違っていることかもしれませんね。独立した映画作品としてとても楽しめました。

脚本は奥寺佐渡子さん。希和子、恵津子を軸にして、恵理菜を主役にして書いたと言っていますが、私にはある意味、これは千草の物語でもあるのかなと感じました。それだけ小池栄子さんの演技が光っていたからかもしれません。小池さんとカルト教団というと、「二十世紀少年」をふと思い出してしまいましたが。奥寺さんの、現在(二章)と過去(一章)を行き来する構成は素晴らしかったです。

ラストは小説と映画では異なっています。「最後をどう表現するかは、かなり迷い、長い間話し合った」とのこと。監督の成島出さんは「20年後の希和子を映像で表現できるのか?それを見たいのか?」ということばには共感できます。映画のエンディングも小説と同じぐらい素晴らしく感動的だったと思います。

こども歌舞伎をやった春日神社。上の方が茅葺きで途中から瓦になっている屋根が印象的でした。千枚田の野焼きの美しい映像は決して忘れられません。映像は藤澤順一さん。角田さん原作の「空中庭園」でもカメラを回していますね。私は、どのシーンという訳ではないのですが、千枚田のシーンあたりからずっとゆっくりとした涙がにじんできて、いつの間にか首の周りがビショビショになっていました。今まで映画を観終わった後、ほほをぬぐったことはありますが、首の周りの涙を拭いたのは生まれて初めてです。梅雨寒の一日、良い映画に出会えてハッピーな気持ちで帰宅しました。


0602八日目の蝉

コメント

_ 一日目のセミ ― 2011年06月03日 09時20分07秒

粛々とした席でクールビスの格好で通訳をしていたら?
駄目だ。笑いの壺に入りそう。
暑くなったら映画を思い浮べ首筋を濡らせたら涼しいでしょうね。

_ 釈千手 ― 2011年06月03日 19時45分37秒

一日目のセミさんへ
そうですね。この夏の手話通訳は全てアロハシャツでやってみましょうか・・・。
暑いのをこらえて通訳するよりは、きっと集中して良い通訳ができるかもしれません(笑)!

_ 一日目のセミ ― 2011年06月03日 21時05分20秒

釈千さんだけに

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