それって本当に必要な知識でしょうか?2011年10月19日 21時05分46秒

1019今夜はキムチ鍋
先日、全国手話検定試験を受けた生徒さんからこんな質問がありました。全国手話検定試験は試験問題を持ち帰れないために、設問と答えの選択肢は全てその人が記憶をたよりに試験直後にメモしたとのことでした。(それでも25問中23問書いてあったのでその人の記憶力は素晴らしいですね!)
設問の中に、世界で(聴覚障害児の)親の会が最初にできた国はどこか?というものがあったそうです。「選択肢にはアメリカとか北欧の国の名前が記されていたと思うのですが、正解がわかりませんでした。正解は何ですか?」という質問でした。

私が想像するにおそらくはデンマークとかスウェーデンといった福祉先進国ではないかと思います。しかし、それって手話を学ぶ人にとって本当に必要な知識でしょうかねぇ?全国にいる手話学習者の中でその答えを知っている人は果たして何人いるのかなと思ってしまいました。少なくとも30年以上手話に関わってきた私は知りません。(←えっ!勉強不足だって?)
もちろんろう教育の歴史とか、身体障害者福祉法、聴力検査などについての知識は手話を学ぶ人にとって必要なものだと思います。ただ、(他の団体の試験を批判したくはありませんが)この問題にはちょっと首をかしげたくなってしまいました。

私は手話通訳者の試験についても同じような感想を持っています。昔私たちが受験をしたころは障害者に関する問題は聴覚障害だけに限られていましたが、現在ではその他の障害者の分野まで試験範囲が広がりました。私は基本的にはそれには賛成です。ただ、過去に、「昨年の全国知的障害者大会が開かれたのはいつ?どこで?」という問題が出題されたことがあります。
果たして昨年の知的障害者の大会がいつ、どこで開かれたか知っている手話通訳者は全国に何人いるでしょうか?また、それは手話通訳者にとって必要な試験なのでしょうか?私にはそうは思えないのですが・・・。

毎年試験問題を考える関係者の皆さんはご苦労なさっていることでしょうが、あまり細かすぎる出題はどうなのかなぁ・・・ちょっと考えてみていただければうれしく思います。