街の中で呼び止められて2011年11月29日 14時22分11秒

1129チェロコンサート
11月29日『街の中で呼び止められて』

昼ごろ、後楽園の近くのある大型ショッピングセンターをぶらぶらと歩いていたら、「谷先生ですか?お久しぶりです」と呼びとめられました。振り返ると、そこに、以前お世話になったKさんが立っていました。

Kさんとは昔ボランティア育成の仕事を一緒にやらせていただきました。私よりも年上なのに、まるで夏目漱石の小説「坊ちゃん」に出てくる下女の清(キヨ)が坊ちゃんを尊敬し、大事にしたように、いつも私を立ててくれる人でした。

若かった私がちょっとしたコミュニケーション不足で、大学生ボランティアと衝突したときにも「失礼があり申し訳ありませんでした」と詫び、私が初めて手話の本を出版した時も「素晴らしい本ができましたね」と自分のことのように喜び、記念パーティを開いてくださいました。

Kさんは55歳の時からチェロを習い始め、60歳の誕生日の時には、みなさんを招待し演奏を披露しました。そのチェロは今でも続けているとのこと。ひとりで練習してもつまらないと仲間といっしょにグループを作り、演奏活動もしているそうです。「一番年寄りで、一番下手な人が代表だからまぁ何とか続いています」と笑っていました。

また最近は新たに囲碁も学び始めたそうです。「自分は60歳を過ぎてだいぶ穏やかな人間になったと思っていたら、それが違うんですよ。相手が人でもインターネットでも負けると悔しくて悔しくて、その日は一日気分が悪いのです。まだまだ修行がたりませんね」と言います。でも、負けて悔しいとか、頑張って次は勝とうという気持ちを持ち続けることは素晴らしいことですよね。

またKさんは、当時一緒に活動していた講師やボランティアたちとも付き合いが続いているようです。Cちゃんは結婚して二児のママになったとか、A先生は赴任先の鳥取から東京に戻り、大学で研究を続けているとか、Yちゃんは研修を終え来年は裁判官になる・・・などの話を聞きました。私は当時の仲間とはほとんど交流がありませんが、Kさんはずっとお付き合いを続けていらしたのですね。

(ちなみに話に出てきた、Yちゃんは私のの出版パーティーでカメラマンを務めてくれ、彼女の結婚式では私が司会をやらせていただきました。これも懐かしい思いでです)
15分ぐらい話をしてKさんと別れました。何歳になっても新しいことにチャレンジする、もっと上達したいという向上心を大切にする、穏やかで誰とでも関わり、そして出会った人とのお付き合いを大切にする・・・そんなKさんの素晴らしい生き方に感動しました。そして私も少しは見習い、Kさんのような人に少しでも近づきたいと思いました。

懐かしい方と再会でき、今日は素敵な一日となりました。