となりの席の困った客(ライトアップ3日目)2012年03月24日 20時45分13秒

0324ライトアップされたしだれ桜
3月24日『隣の席の困った客(ライトアップ3日目)』

今日は、友人のMと歌舞伎デートでした。ふたりで歌舞伎に行くときはときどき私が二人分のお弁当を作って持って行きます。Mは「男が男の手作りのお弁当を食べるのは・・・」と言いながらも、いつも気持ちよく完食してくれます。

さて、いよいよ歌舞伎が始まったのですが、私の隣に座ったクソジジイ、じゃなくて年輩の男性が何だか落ち着きません。となりの女性とおしゃべりをしたり、カバンの中をゴソゴソと何か探したり、思いっきり体を前に傾けて私の視線を遮ったり、そうかと思うと突然寝て、バサッと手からプログラムを下に何度も落としたりします。食べ終わった弁当のゴミも、なぜか自分の足元ではなく私の足元に捨てるのです。また、「菊五郎は下手くそだ」とか「藤十郎はましになってきた」だとか完全な上から目線での会話。コラーっ!藤十郎さんは人間国宝だぞ!少しは口を慎みなさいっ。本当にマナーの悪い人で、私はなかなか舞台に集中できませんでした。そして、ときどき通ぶって「こーらいや!」とか「たかさごやー!」などと下品な声で叫ぶのです。
さて、休憩の後は私の大好きな「忠臣蔵九段目」です。どうなることかと心配していたのですが、なぜか静かです。ふとみると爆睡しています。あーっ良かった!このままずっと(できれば永遠に)寝ていて欲しいと思いました・・・ところが、世の中そんなに甘くはありませんね!後半の山場(加古川本蔵が死ぬ場面)になったらガバッと起きました。そして、となりの女性と再びおしゃべりしてクスクスと笑い出しました。コラーっ!幸四郎さんに対して失礼だぞ。しかも会話を聞いていたらビックリ!その人は、ある大学で演劇について教えている先生なのだそうです。演劇について教える前に自分のマナーを何とかしなさいっ!本当にストレスがたまりましたよ。

あっ、ついつい愚痴ってしまいスミマセン。少しはスッキリしました。ちょっと過激な表現になったことをどうかお許しくださいね。
ところで今日の演目そのものはとても素晴らしいものでした。「荒川の佐吉」では、若い染五郎さん、亀鶴さんが男の意気を見せてくれました。自分の育てた盲目の子どもと別れなくてはならないときにわざと冷たくするのは、映画三丁目の夕日で茶川さんのとった行動をふと思い出しました。
「忠臣蔵九段目」ではベテランの籐十郎さんと時蔵さんが見せる女の戦いは見応えがありました。いつも「勧進帳の弁慶」で涙を流すMは、「九段目の本蔵」でも目を真っ赤にしていましたよ。来月はこの新橋演舞場で九段目をのぞく全ての段を通し(朝から夜まで)で上演します。こちらも楽しみですねぇ。

歌舞伎の後は築地まで歩き、場外市場でおいしいお寿司を食べながら観劇の反省会(笑)を開きました。場内市場にも入ったのですが、さすがに午後4時ともなると開いている店はほとんどありませんでした。
そして家に帰る前に、ライトアップされている六義園の中を歩いてきました。しだれ桜はまだまだつぼみですが、真っ暗な中、ライトアップされた枝がクッキリと見える姿は、これはこれである意味幻想的だなぁとしばらくひとりで夜桜を眺めてきました。(写真)