お坊さんが鯉になる2015年12月28日 20時11分02秒

上田秋成の「雨月物語」を読みました。
雨が上がって月がぼんやり見える晩に書いた」というのでこのタイトルが付いたそうです。
収録されている9つのお話しは、妻がヘビになったり(蛇性の淫)、お坊さんが鯉になったり(夢応の鯉魚)するので「怪談」と言われていますが、実は、どの話も人間の欲、つまりお金、名声、色情・・・などを描いた極めて人間臭い物語ではないかと思いました。

思いましたと書いたのは、実は現代語訳ではなく、原文で読んだため、(ところどころ注釈があるものの)内容がよくわからなかった点が多々あったからです。
明治時代に書かれた森鴎外ですら、原語で読むのは苦労するのですから、江戸時代に書かれた上田秋成を読むのは大変なことです。インターネットであらすじや他の人の感想などを参考にさせてもらいました。

1228雨月物語市

この作品の内、「浅茅が宿」という話は1953年に映画化されていますが、夫の帰りを待って死んだ妻を田中絹代、お姫さま実は亡霊を京マチ子さんが演じています。

菊花の契り」という作品で義兄弟が重陽の節句に再会しようと約束をするシーンがあります。9月9日ではなく重陽の節句というところが良いですね。そういえば、私の手話教室の生徒さんの中にも、「節分(2月3日)までにこれをやりたいと思います」と言った人がいました。私も今後参考にさせていただこうかなぁ?