悲劇の発生論2018年11月26日 12時07分56秒

フロイトも良い、アドラーも素晴らしい、しかし、外国の心理学をそのまま当てはめても日本人の心には何となくしっくりこない・・・。

著者は語られた過去としての「昔話」、描かれた過去としての「浮世絵」から日本人の心を分析しています。著者が1万枚の浮世絵を調べたところ、約500枚に子供が描かれていました。その内の約
300枚に母と子が登場しています。これは「日本人の心的世界における父親の欠如」とも取れます。しかし、「浮世絵師はほぼ男性であることを考えれば、その絵の手前にはそれを見ている父親の姿を感じることができる」と著者は述べています。

20181126悲劇の発生論

なるほど!セルフタイマーや自撮り棒などなかった時代、私たちのアルバムの写真やホームビデオに登場するのは母親と私と弟の3人だけでした。父親はいつもカメラやビデオで撮る役です。皆さんもきっとそうですよね?写真には収まっていないこちら側に、実は父親の笑顔があります。

難しい本ですが、写真も多く読みやすかったです。フロイトやユングでは飽きたらない人にオススメの一冊です。(たぶん)
「悲劇の発生論」
北山修著 金剛出版

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