学生の悩み2020年06月25日 10時06分03秒

私は大学で手話を指導しています。先日の授業で補聴器について話したところ一人の学生から以下のような反応がありました。

私は小学校の頃まで補聴器を付けていた為今日のお話にあったヒアリングの話はとてもよく理解できた。小学校では雑音がとても多い。掃除をする時机を引きずっている音や色々な方の話し声、そんな中で友達に話しかけられても全ての音を補聴器は拾ってしまうので何を言っているのか分からなかった。しかし、友達は私が補聴器をつけているから聞こえるものだと勘違いしてしまう。何回も聞き直すのが相手に悪いと思ってしまう私は聞こえるふりをよくしてしまっていた。このような雑音でイライラしてしまう事も何度があり、補聴器なんかない方がいいと思ってしまい、その当時から補聴器をつけなくなってしまった。なので私は今でも補聴器なしの生活をしている。私は高い音が聞こえないためセミの音や電子レンジの音など様々な高い音は聞こえていない。しかし、雑音を消して人の声だけを拾ってくれる補聴器があるならば1度は試してみたいとおもった。また、先程申した通り聞き返すのが申し訳ないと思いよく聞こえるふりを昔から今でもよくしてしまう。しかしこれは間違いなのか。聞こえてないのに理解しているふりのほうが相手に申し訳ないことをしているのではないか。これはよく考える。「聞こえないからもう一度ゆっくり教えて。」と言えるならばいいが、私は相手に嫌な顔されるのではないかと怖くなってしまう。もう少し自分で自分を成長させたいなと今回の授業で色々考えさせられた。

聞こえない、聞こえにくい皆さんなら必ず経験することですね。皆さんなら彼女にどのようなことばをかけてあげますか?もしアドバイスをいただければ嬉しく思います。

コメント

_ K ― 2020年07月05日 06時03分05秒

はじめまして。私もコミュニケーションに苦労している者です。ですので、人の事を言える立場ではないのですが、何か伝えたくなりました。相手の顔色を伺うの、よく分かります。ですが、それよりも情報を得たほうが良いので、聞き返して良いと思います。情報を得ることは誰に対しても平等ですもの。私の場合は分からなかったら筆談器やノートを出して『書いて下さい』と頼みます。戸惑う顔をされるかたもいらっしゃいますが、聴覚障がい者を知って欲しいという意味も込めています。書いてもらった後に『ありがとう』って言うこともあります。会話なので言うのおかしいな?って思っているのですが、クセになってしまいました。円滑になれば良いかなと。とりとめのない文ですが、釈千手様の生徒さんが少しでもスムーズに会話が出来ることを切に願います。

_ 通りすがりの(元)受講生 ― 2020年07月10日 17時11分06秒

貴重な問題提起、有り難うございました。

知人が補聴器を使っていて「雑音を拾ってしまって頭痛が絶えない。だんだん使わなくなり、聴力が低下した」と話してくれたことを思い出しました。
雑音を抑えられるなら(健康に障るのでなければ)危険を察知したり、生活に便利なので、使い続けたかったそうです。

一番、 気になったのが「聞き直すのが相手に悪いと思ってしまう」という点です。これは、手話学習者も、よくぶつかる壁で、相手の手話表現を読み取れていないのに、分かった振りをしてしまうことがあります。
その解決策として、手話サークルなどでは、ポイント(日時、場所など)は書き出し、皆で確認します。
一対一でも、これを応用出来ればいいと思いますが、無理なときは、繰り返し聞き直していいと思います。というより、聞き直すべきではないでしょうか?
「よく聞こえなかった。もう一回、お願い」と。
私も「もう一回、手話、お願い」と表現していきたいと思います。
また、私が聞こえない(あるいは聞こえにくい)人と親しくなった時に確認することは、
「漢字の読み方や、日本語の使い方で、不自然なとき、言っても構わない?」ということです。ほとんどの人が「是非、教えて」 と言ってくれます。
そして「へー!そーだったの?!誰も教えてくれないんだもの」と言われ、そこから、また、新たな会話が生まれます。
私が、おかしな手話を使うと、直ぐに突っ込まれることは言うまでもありません。
こう書くと、スムーズな会話をしていると思われるかもしれませんが、、その度に悪戦苦闘です。
この記事の中で、例を挙げさせて頂くと、「セミの音」という表現です。「セミの羽音 」という場合は「音」ですが、単に「セミの~」なら「声」と表すことが、多いのです。セミの動きによって生じた『カサコソ、カサコソ』といったような物音を指すのでない限り「セミの声」です。
ここで、疑問を持ったので「セミの鳴き声って、そもそも何だろう?」と調べてみました。

簡単にいうと、セミは、腹の中の「空洞」、背中側の「発音板」、わき腹の「腹弁」、V字型の筋肉「発音筋」、これら、全てを使って鳴き声を出すそうです。ですから、種類によっても、組み合わせによっても、様々な鳴き声になるのですね。

こんな、重箱の隅をつつくような指摘は、は日常会話では必要ないでしょう。
でも、私は、自分の身内、知人、友人が、人に、言葉を使って何かを教える立場、影響を与えるかも知れない人間であるなら、
自分の分かる範囲で、きちんと調べながら伝えて、共に学んでいきたいと考えています。

どうか、臆せず、何度でも聞き直していって欲しいと願っています。
ご家族も、お友達も、それを望んでいると思います。口論になっても、それはそれでいいくらいの気持ちで。
貴重な機会を、有り難うございました。

_ 釈千手 ― 2020年07月11日 08時28分38秒

Kさんへ
当事者からの貴重なご意見をありがとうございます。
本人(学生)にお伝えします。
またいろいろと教えてください。

_ 釈千手 ― 2020年07月11日 08時42分28秒

元受講生さん
いつもありがとうございます。

「智に働けば角が立つ、情に掉させば流される」

夏目漱石の一節を思い出しました。全て流していたら自分が消えてしまいます。かといって、自分が聞き取れないことを全て確認されたとしたら相手は嫌な顔をします。人生にはそのバランスが大切ではないでしょうか。と言っても最近の私は流されっぱなしのような気がして少し反省しています。

_ 通りすがりの(元)受講生 ― 2020年07月11日 19時00分44秒

釈千手先生の言われる通り、
バランスが大切ですよね。

言葉が足りませんでした。
「聞き直して」と言ったのは、全ての人たちに対して、という意味ではありません。

学生さんと、コミュニケーションをとりたい、と心から願っている人たちに対して遠慮は要らないのでは?ということを言いたかったのですが▪▪▪

何かを伝えるのは、ことほどさように、難しい、ですね。

_ 釈千手 ― 2020年07月17日 21時20分04秒

元受講生さんへ
コメントをありがとうございます。
私たちは日常の会話の中でも何度かやり取りをする中で「私が言ったのはこういう意味です」とか「つまりそれはこういう意味ですか?」などと確認しながら会話をします。
私などは時々それが面倒くさくなることがありますが、このような文字でのやり取りの場面でもその確認作業を怠らない元受講生さんは素晴らしいなぁと思っています。
いつもありがとうございます。

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