ドレスを着た男子 ― 2021年02月11日 19時34分06秒
その日僕は女友だちのリサと一緒に登校した。リサは美人でいつも注目されているのだけれど、特に今日は珍しく制服ではなく私服を着ていたし、見かけない女の子と一緒なのでなおさらだ。教室の外にはダルビッシュが立っていた。そして僕を上から下まで見た後、目をそらした。すごいぞ。親友でさえ、僕を僕だと気が付かないなんて!
リサの教室に入ると、口臭のきつい担任のブレスロウ先生がリサに言った。「あなた遅刻よ。そしてその隣にいる女の子はいったい誰?」「先生、遅刻してすみません。そして彼女はフランスからの交換留学生でドゥニーズです。うちにホームスティしています」「先生はそんな話聞いていないわよ」「そうですか!ホートレイにはちゃんと話したのですが」「ホートレイ校長と言いなさい!まぁいいわ。二人とも座って」僕はすっかり女の子としてクラスメートから認められたのだが・・・
「ドレスを着た男子」
デイヴィット・ウォリアムズ作
鹿田昌美訳 福音館書店
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