釈千手の日記帳

大阪高裁で行われた逸失利益裁判の判決が出た後の報告集会にオンラインで参加しました。

逸失利益が100％認められたという素晴らしい判決でした。

私が注目したのは2点です。ひとつは中枢系と末消系について。聴覚に障がいがある人は能力(中枢系)には何の問題もない。耳が聞こえないというのは末消系の問題である。しかしそれらはささやかな合理的配慮や最近のコミュニケーションツールに依ってカバーし得る問題であると、裁判所が判断したということです。

もうひとつは、参考統計についてです。現実として聴覚障がい者と健常者の賃金には格差があるではないか？という主張に対して、「障がい者への差別を禁止した国内外の法律に違反している状態の中での統計はこれを参考にしない」という判断です。

この2つはとても画期的なことではないかと思っています。(私は法律の専門家ではないので、間違っている部分があったらお許しください。またはご指摘ください。)

裁判に勝っても小学5年で命を奪われた女の子が戻ってくることはありませんが、私は生きている限りこの事故、そして裁判のことを胸に刻んでおきたいと思いました。