一枚一枚の絵に作者の遊び心が見え隠れする ― 2015年09月01日 16時46分11秒
中城芳裕さんの個展を見にいきました。絵のモチーフは中世のドラゴン退治です。ドラゴンには、悪・災難・疫病などのイメージがあるからでしょうか、昔からドラゴン退治はいろいろな物語や絵画に登場します。聖書の中にも同様の話しが出てくるそうです。日本で言えば鬼退治みたいなものでしょうかねぇ?

私が一番感動したのは「月夜の岬」という作品です。正面に恐竜のように大きなドラゴンの横顔が描かれていて、手前の岩場に人間が3人隠れているという、ちょっとドキドキする構図です。
その他にも絵一枚一枚の絵からいろいろなストーリーが伝わってきます。この辺りが絵伝=エデンなんでしょうかねぇ。
ところでドラゴンを捕らえてみると、その中から人間の女性が出てくるというものかいくつかありましたが、そのモデルは画家の妻とも言われているそうです。なるほど、そう言われてみると、確かに奥さまに雰囲気がそっくりですね。
スタッフの方が教えてくださったのですが、数枚の額縁にはワニ皮が使われているものがありました。ドラゴンのウロコがそのまま額縁と一体化していくようですね。他にもキャンパスの両側や上下に絵の延長が描かれているものもあります。例えば絵にはひとりの女性が描かれているのですが、その側面には彼女の背中に生えているコウモリのような羽が書いてあったりします。ところどころに作者の遊び心が感じられる作品展でした。皆さまも銀座にお出かけの際にはぜひ覗いてみてくださいね。
中城芳裕展「ドラゴン絵伝」
2015年8月31日(月)~9月5日(土)
光画廊(銀座七丁目)
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