まぼろしの小さい犬2020年10月10日 22時16分29秒

犬が欲しいベン。しかしロンドンのアパートでは犬を飼うことは許されない。あきらめきれないベンは現実逃避をし始める。目を閉じるとそこには自分だけの犬チキチトが現れる。ベッドで寝る時も、2階建てバスに乗る時も、テムズ川沿いの道を散歩する時も、利口で自分のことが大好きな空想の犬と一緒だ。

そんなある日、ベンの一家は郊外に引っ越しすることになった。そして家には念願の犬がやってきた。しかし、ベンのところにきた犬、ブラウンは臆病で全く人になつかない。こんなの僕の犬じゃない!
空想の愛犬チキチトを選ぶか、それとも現実の愚犬ブラウンを選ぶか、果たしてベンが選んだのは・・・

20201010まぼろしの小さい犬

「まぼろしの小さい犬」
フィリパ・ピアス著 岩波書店

だからひとりだけって言ったのに2020年09月29日 21時11分49秒

最近、夫と娘の様子がおかしい。なんだか私に隠れてこそこそしている。最近はガレージで二人でいる時間が増えてきた。今朝出かける時に夫は娘にウインクをした。私はわざと気がつかないふりをした。
そして私の誕生日の夜に事件は起きた。1階のガレージから娘の叫び声が聞こえてきた。私が慌ててかけ降りてドアを開けて目撃したものは・・・
皆さ~ん!ご安心ください。皆さんが心配したような結末ではなく、ハッピーエンドのお話しですからね!

20200929だからひとりだけって

「だからひとりだけって言ったのに」より「昆虫/アンセクト」
クレール・カスティヨン著...
早川書房

君にそっくり2020年09月23日 22時20分17秒

「失礼、ちょっと伺いますが」会社の名前の入った書類を広げていたアーサーの前に、突然身なりの良い青年が立ち止まり声をかけてきた。「きみホートン社で働いているの?」
その青年は初対面にも関わらず、自分の身の上話をしたあげく、借金を頼んできた。その時、アーサーにはある考えが思い浮かんだ。「お金なら貸しましょう。そして良かったら僕の部屋に引っ越して来ませんか?」思いがけない展開に相手も戸惑ったのは言うまでもない。
そして、アーサーの計画は少しずつ、しかし着実に進んでいくように思えたのだが・・・

20200923君にそっくり

「君にそっくり」
スタンリィ・エレン著 早川書房

ミッドナイト・ブルー2020年09月21日 19時02分21秒

朝食のテーブルでスピアーズ夫人が言った。「昨夜は嫌な夢を見たの。あなたが同僚のベンスキンさんの首をミッドナイト・ブルー(濃い青色)のマフラーで絞め殺して絞死刑になる夢」すると娘のダフネが「絞死刑じゃなくて絞首刑って言うのよ、母さん」と口を挟んできた。そんな話をしている最中に息子のフレッドが飛び込んできた。「寝坊した!朝ごはんを食べてる時間はないな。父さん、悪いけどこのマフラー貸してくれる?部屋にあったミッドナイト・ブルーのマフラーを・・・」

20200921ミッドナイトブルー

「予期せぬ結末 ミッドナイト・ブルー」
ジョン・コリア著 扶桑社

再読「お一人きりですか?」2020年09月18日 22時44分39秒

ファビエンヌは、パリで働く公務員。ほぼ毎日、レストラン「友のたまり場」でランチを取る。この店の料理にもワインにも大満足なのだが、ひとつだけ気に入らないことがある。それは毎回入り口でウエイトレスが「お一人きりですか?」と聞いてくることだ。その口調には(どうせ恋人なんていないんでしょ?今日もひとり寂しくランチかしら?)という同情と悪意がこもっているのだ!なんとかあのウエイトレスを見返してやりたい。
ある日彼女は、いつも「この猫にエサを恵んでいただけませんか?」という札を持って猫と一緒に路上に座っているホームレス(といっても清潔な身なりの)青年に声をかけてみた。「あのー、もしよろしかったら私とランチをご一緒してくださらないかしら・・・」
私が一番好きなジュノーの短編小説です。

20200918お一人きりですか?

再読「お一人きりですか?」
クロード・ジュノー著 筑摩書房

子供たちの迷路2020年09月10日 21時05分03秒

頭の上をまず誘導機が、そして四発爆撃機が通過して行く。しかし、この地下ごうの中なら安全だろう。
私はいつものように人形のロージーと話をしていた。「ママは魔女なの。スカートの下にお耳があるの。耳のフタを開けたらどこにいたって私たちの話を聞かれてしまうのよ!」気を付けなければならない。母親にとっては、その人形をジプシーの少女に変え、少女を人形に変えるぐらい魔術で簡単にできるのだから・・・。

20200910子供たちの迷路


 「子供たちの迷路」
E・ランゲッサー著 新紀元社

フェル先生、あなたは嫌いです2020年08月22日 20時11分30秒

精神科医のフェル先生は彼に言った。「いいですか、ブロムリーさん、あなたが診察室だと思っているこの部屋はあなたのオフィスなんですよ。そしてあなたが私の秘書だと思っているあの女性は、あなたの秘書なんです。そして今あなたが話をしている私は、あなたが発明したものです。つまりあなたは毎日自分のオフィスに来て自分と会話をしていたのですよ!まだわからないのですか?」
そうか!彼はやっと自分が誰だかわかった。しかし、彼が自分だと思った人物は、実は本当の自分ではなかった・・・

20200822フェル先生

「フェル先生、あなたは嫌いです」
ロバート・ブロック著 早川書房