夢のなかの夢2018年01月30日 20時53分17秒

ダイダロスは広い円形の部屋に出た。部屋の真ん中に男が一人座ってすすり泣いている。その男は雄牛の頭をしたけもの男だった。ダイダロスが泣いている訳を訊ねたら、「ぼくが泣いているのは月に恋したからです。こどもの頃一度見ただけなのにぼくには手が届かない」と言う。「きみがここから出られるよう私が手助けしてあげよう」とダイダロスは言った。
この部屋には扉が二つあり、ひとつは自由に、もうひとつは死につながっている。それぞれの扉には番人が二人いて、ひとりは嘘しか言わず、もうひとりは真実しか言わないのだ。果して二人はこの宮殿から脱出することができるだろうか?

20180131夢のなかの夢

過去の巨匠たちがみたかも知れない夢を、現代作家タブッキが想像の翼を広げて妄想します。3~4ページぐらいの短篇が20あり、それぞれ独立しているので、興味がある話だけ拾い読みするのも可能です。
電車の移動時間、会社の昼休み、カフェで友人を待つ時間にちょっと読んでみてはいかがでしょうか?
「夢のなかの夢」
タブッキ著 岩波文庫

静けさの中の笑顔2018年01月03日 21時14分18秒

お正月休みに友人が書いた本を読みました。

20180103静けさの中の笑顔

小学生の時に先生の唇の動きを読み取る訓練がありましたが、補聴器を付けて音が聞こえると眼球が揺れてしまい唇の動きがわかりません。しかし、補聴器を外すと先生に叱られます。そこで電池を外して補聴器を付けていたという体験談。
会社である耳の聞こえない男性が上司に「(みんなが残業しているの一人だけ先に帰るなんて)よくできるな」と非難されたのに、「あなたは仕事がよくできる」と褒められたのだと誤解したエピソードなどが印象に残りました。
耳の聞こえない人についてもう一段理解を深めるために是非読んで欲しい一冊です。

20180103静けさの中の笑顔

「静けさの中の笑顔」石塚由美子著 星湖舎1300円+税

会いたいと思うと・・・(笑)2017年10月07日 19時07分41秒

今日から三連休という人も多いのでしょうね。私は三連勤です(涙)!でも仕事があるというのはありがたいことですよね。

午前中、相模原での仕事が終わったとき二人の生徒さんから手作りのお弁当を手渡されました。ありがたくいただき横浜へ移動。
到着後、10階の休憩室でお弁当の包みを開いてみると、Kさんからは栗の入ったお赤飯、Iさんからはおはぎをいただきました。どちらも美味しかったです。ごちそうさまでした。
しばらくすると休憩室に来た別の生徒さんから「先生は今、カズオイシグロの本を読んでますよね。これ別の作家の本なのですが、臓器移植のための人間を作るという同じテーマでかかれた本です。よかったらどうぞ」と本を2冊もいただいてしまいました。「いつもは10階など立ち寄らない私ですが、今日先生にこの本を渡したいなぁと思ったらこうして会えて嬉しいです」と言ってくれました。こちらこそ、素敵な本をありがとうございました。

20171007本のプレゼント

その後、横浜での仕事が無事に終わり帰ろうかと思っていたところ、たまたま私の従妹夫婦と娘さんが横浜のすぐ近くのお店にいることがわかりました。
その店に移動し、しばらくカウンターで一人ビールを楽しんでいると、そこに3人が登場。私に本を贈ってくれた方のセリフではないけれど「会いたいなぁ」と思っていた人とそうやって会えたのは嬉しいことですね。

さてこのブログを書こうと思い自分のホームページを見てみたら・・・
なんと私のブログへのアクセスランキングが、

20171007アクセスランキング

28位になっているではありませんか!だいたいいつもは100位辺りをうろちょろしているのですが、今回は何があったのでしょう?嬉しい反面、なんだかちょっと心配でもあります。

今年のノーベル文学賞は・・・?2017年10月06日 22時01分30秒

昨日ノーベル文学賞受賞が発表されたカズオ・イシグロ。今日早速図書館へ行き、「夜想曲集」と言う短編集を借りてきました。

20171006夜想曲集

第2話の「降っても晴れても」では大学時代仲の良かった3人の関係が、その後変化していく描写に著者の鋭い観察力を感じました。残りの3話も楽しみです\(^^)/

後味があまり良くなくて2017年09月30日 21時43分37秒

「イニシエーション・ラブ」を娘から借りて(正確には娘が図書館から借りてきた本を借りて)読みました。
うーん、何だか後味が悪いというか、共感しにくい本でしたね。
恋愛には人それぞれのスタイルとか考え方があるので、これはこれでありなのかもしれません。別に最後の2行が気に入らないということでもないのですが・・・何となく自分には受け入れられない作品でした。m(__)m

20170930イニシエーション・ラブ

ただ、この本の各章には、

A面
揺れるまなざし、君は1000%、YES-NO、Lucky Chance をもう一度、愛のメモリー、君だけに
B面
木綿のハンカチーフ、DANCE、夏をあきらめて、心の色、ルビーの指輪、SHOW ME

と70年代、80年代のヒット曲がタイトルとしてつけられているので、何だかストーリーに曲のイメージか投影される感があり面白い効果を出しています。
さらにセリフなどはやけにリアルだし、文章のテンポも良いので、最後の1ページまで一気に読ませてくれる本でした。

「イニシエーション・ラブ」
乾くるみ著
原書房 1600円+税

君のすい臓を食べたい2017年09月25日 22時15分39秒

今日は病院の診察日でした。
3月の手術は成功し、心房細動による不整脈はなくなったのですが、まだEF(収縮率)が低いために、しばらく薬は現状のまま続けることになりました。

0926君のすい臓を食べたい

ところで病院の待ち時間に私はいつも(スマホは使えないので)読書をしています。今読んでいる本は「君のすい臓を食べたい」。これはとっても感動的な内容なのですが、タイトル的には病院の待合室では読みにくい本ですね~(笑)。せめてカバーをしてくれば良かったかな?

「君のすい臓を食べたい」
住野よる著
双葉社

供述によるとペレイラは・・・2017年09月21日 21時11分26秒

この本の主人公ペレイラは、小さな新聞社で文芸面を担当する記者です。真面目に働き、ランチはだいたいオムレツとレモネードを注文します。帰宅すると、亡くなった妻の写真に向かって今日一日の出来事を報告します。そんな平凡な日々にある日突然れたものは・・・

0921供述によるとペレイラは

最後に用意されていた結末に向かってストーリーは川のようにゆっくりと流れていきます。
私は現在、断捨離中で本は全て図書館で借りることにしています。でもこの本は将来老人ホームに入る時のために持っていたいなぁ(笑)と珍しく購入を検討しています。少なくとも私の2017年のベスト1候補かな?皆さんも秋の夜長にいかがですか。
「供述によるとペレイラは・・・」
アントニオ・タブッキ著
須賀敦子訳
白水社