ケチャップのかかったハンバーグ2013年05月09日 06時35分15秒

<裁判員裁判>
福島県で裁判員を務めた女性が、国に200万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。この女性は、裁判で遺体のカラー写真を見たり、被害者が死の直前に消防に電話した2分半の音声記録を聞いたりした後、食欲がなくなり眠れなくなりました。裁判終了後、診察を受けたところ急性ストレス障害と診断されたそうです。
0509裁判員

<ケチャップのかかったハンバーグ>
実は私も裁判に関わる仕事をすることがあります。以前の裁判で「ホテルで女性を殺害した後、証拠隠滅のために両手の指紋と陰毛をライターで焼いた」という供述と写真に私も気分が悪くなり、昼食が食べられなかった経験があります。
この女性は裁判所から出された弁当に(遺体の血を連想させる)ケチャップのかかったハンバーグを出され、おう吐としたにも関わらず午後も裁判員の職務を続けたとのことです。この女性にかかった精神的ストレスの大きさと彼女の責任感の強さを感じました。

<意に反する苦役>
弁護士は裁判員裁判が、憲法18条に違反していると述べています。
「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」
確かにこの女性にとって裁判員を担当することは「意に反する苦役」だったのかもしれません。
先月大分県で行われた別の裁判では、被害者の写真が白黒に加工されました。「福島でのことを考慮して」とのことです。今回のことをきっかけに裁判員にかかる負担軽減を国民ひとりひとりが考える必要があるのではと感じています。