あのスロープは何?2013年11月04日 17時56分47秒

今日は国立劇場で歌舞伎「伊賀越道中双六」を観てきました。

講談ではに富士、二に鷹の羽のぶっ違い、三に上野の仇桜(あだざくら)」※ということばがありますが、これは「曽我兄弟」、「忠臣蔵」と「伊賀上野」の日本三大敵討ち(かたきうち)を差しています。今日の演目はその三番目となります。

もちろん坂田籐十郎さんが圧倒的な存在感を示すのですが、それ以外では平作役の中村翫雀さん、孫八役の中村亀鶴さんが素晴らしかったです。

ところで今日劇場に着くと下手の「花道」の他に、上手にスロープがありました!演目によっては、上手と下手の両方に花道が作られることはありますが、このようなスロープを見たのは初めてです。あれはいったい何でしょう???
1104国立劇場

幕が開きその意味がわかりました。
芝居の途中で歌舞伎役者が舞台から降りてきて、アドリブでいろいろと楽しいことを言いながら客席をグルッと歩き再び舞台に戻るのです。これは次の宿場町まで歩いて旅をしていることを表しているそうで、その間に舞台も次の場へと転換しています。
このようなものを見たのは初めてですが、役者を身近に感じられる、とっても面白い演出だと思いました。
ただ、演目が地味だからでしょうか?客席は空席が多かったのがちょっと残念です。

※この他に「一に富士、二に鷹の羽の打ち違い、三に上野の春に花は散るらん」や「一に富士、二に鷹の羽の打ち違え、三に名をなす伊賀の上野に・・・」という言い方もあるそうです。