釈千手の日記帳

皆さんはマカトン(マカトンサイン)ということばを聞いたことがありますか？耳の聞こえない人が使っている手話はとても素晴らしい言語ですが、とても難しいものです。そこで、知的障がいや、重い障がいを持っている方向けに、もっと簡単に作られたサインのことをそう呼びます。

先日、ある方とお会いした時にマカトンの話が出ました。その方の息子さんは自閉症で、話すことができません。(自閉症でも話すことができる人もいます)なかなか意思の疎通ができず、いつもトイレを失敗していたそうです。ところがある時、マカトンに出会いました。下の写真のように人差し指と中指を自分の肩に当てるのが「トイレ」のサインだそうです。中指から小指で「W」、親指と人差し指で「C」を作る手話のトイレより簡単ですね。

すると息子さんは母親に「トイレ」と伝えられるようになり、それ以後漏らしてしまうことがなくなりました。息子さんと聞いて最初は幼いお子さんだと思っていたのですが、今年25才になるそうです。

私はこの話を聞いて感動しました。話すことができずいつもトイレを失敗していた息子さんもつらかったでしょうし、毎日その後処理をしなくてはならないお母さんも大変だったと思います。ところが二人がマカトンを覚えたことで、その大変さから解放されました！私は人間が「学ぶ」のは「幸せになるために」だと思っていますが、まさにマカトンを学んだことで、二人が抱えている問題がひとつクリアになりましたね。

インターネットで調べてみたら、日本マカトン協会では、定期的に講習会を開催しているようです。皆さんも機会がありましたら、ぜひマカトンに触れてみてください。意思疎通に悩んでいる誰かを助けてあげられるかもしれません。