踊り場2022年05月16日 20時07分29秒

私は大学の授業で手話を教えています。
その中で、少しだけ点字もやります。それは、近年はいくつかの障がいを重複して持っている人もいるし、コミュニケーション手段の一つとして「指点字」の説明をする時に、ある程度点字の知識が必要だからです。
先週点字の指導をしたところ、一人の学生が「大学の階段にオドリバ(踊り場)と点字で書いてあるのが読めました」とコメントをくれました。

20220516踊り場

素晴らしいですね!実はオドリバには濁音が入りますが、その位置は濁音を付けたい文字の後ではなく前になります。つまり、
×「オ」「ト」「゛」「リ」「ハ」「゛
〇「オ」「゛」「ト」「リ」「゛」「ハ」
このような語順になります。ここはまだやっていないところですが、きちんと読めたのですね。それは素晴らしいと思いました。

それは私にもどうにもできない2018年07月27日 21時55分26秒

<台風>
台風が接近しています。明日の午前中の手話サークルは「中止にします」と主催者から連絡がありました。賢明な判断だと思います。
台風は通常とは逆に、上陸すると西側に進む予報が出ています。関西の皆さん、西日本の皆さん、お気をつけください。

<ゆかり>
学生から聞いた話。ゆかりを買って食べようと思ったら袋に点字が書いてあったそうです。
○● ●○ ●○
○○ ○○ ●●
●● ○● ○○
何て書いてあるのかと思って調べたら「ゆ」「か」「り」と書いてありました!と報告してくれました。学生たちが手話や点字に興味を持つようになったことは嬉しいですね。

20180727ゆかり

<外国の青年たち>
新宿駅で、外国人のカップルが券売機の駅名を見ながら困惑した表情をしていました。私が「大丈夫ですか?」「キップはどこまで買いますか?」と聞くと、「あー大丈夫です。実は私たち行きたいところがあるのですが、それがどこだったか思い出せなくて・・・」との返事。うーん、「渋谷までいくらですか?」とか「浅草へはどうやって行くのですか?」という質問なら答えられるのですけどね。
「わかりました、とにかくよい一日を!」と二人とお別れしました。

常識をTURNする2017年08月18日 12時03分41秒

仕事の前に、東京都美術館で開催されているイベントを覗いてきました。

答えは正しくないといけない、間違うのはダメ、よそ見したらもっとダメ・・・そんな常識をTURNさせる。

「人と違う」ことに価値を見いだそうするアートと、見えないとか、聞こえないとか、歩けないという個性を持って生きる人との接点に触れられるイベントでした。
体験型のプログラムもいろいろあります。週末、お時間があったら是非お出かけになってみてくださいね!

0818TURNフェス3

「TURNフェス3」
8月18日(金)~20日(日)
東京都美術館
入場無料

親指と小指はダメ(笑)2017年07月17日 22時10分04秒

今日は大学で試験でした。
私が教えるのは主に手話ですが、視覚障がい者のための「点字」、視覚・聴覚重複障がい者のための「指点字」も指導します。

今日の試験では、点字の正答率は93%だったのに対して指点字の正答率は69%でした。正答率の低さは、もちろん私の指導不足が第一の原因です。ただ、指点字は「ヤマ」、「ウミ」、「ソラ」の3つの中から出題しますと事前に発表していたのにも関わらず69%とはちょっとショックな数字でした。

ある学生の解答です。

0717指点字1

「ソ」は、2と4が「O」ですから母音は正解ですが・・・指点字に小指はありませんよ!

0717指点字2

続いて「ラ」ですが、5と6だと子音は「S」になってしまいます。そして指点字に親指はありません!

正解は下記の通りです。
2と4が母音の「O」、5と6が子音の「S」ですからこれで「ソ」↓

0717指点字ソ

1が母音の「A」、5が子音の「R」ですからこれで「ラ」となりますね。↓

0717指点字ラ

来週が最終講義となりますから、しっかり復習しておきたいと思います。

見守ること2017年06月21日 22時18分49秒

西武線のとある駅でのこと。
駅のホームに白い杖(白杖=はくじょう)を持った目の不自由な方が立っていました。
ホームに池袋行きの電車が到着し、乗り込もうとしたとき、ふとその人を見ると車両と車両の繋ぎ目のところを乗り口と勘違いしているようでした。周りには数人の人がいましたが、誰もそのことに気が付いていない様子です。
これはまずいと私が駆け寄った時、まさにその人はホームから車両の間に足を踏み出すところでした。「そこはドアではありませんよ!」と慌ててその人の手を取りドアまで行き電車に乗り込んだ瞬間、私の背中でドアが閉まりました。

0620車両と車両の間

もし私が気が付かなければ、その人はホームから転落、それに気が付かず電車が発車していたら、大怪我または死亡事故になっていたかもしれません。考えただけでゾッとします。
もちろん全ての駅でホームドアの設置は急務ですが、その前に、私は彼の周りにいた人が全く彼の存在に気づいていなかったことに腹が立ちます。
駅のホームで障がいのある方や高齢者、お子さん、ベビーカーを見かけた時は「ちゃんと乗れた(または降りれた)かな」と見守ったり、手を貸したりするのが最低限の大人の勤めですよね。
スマホでゲームをしたり音楽を聴くことに夢中になり過ぎて、他の人に無関心というのには本当に困ります!改めてそんなことを痛感した出来事でした。
(写真は西武線ではなく京浜東北線のものです)

学生たちの声2017年05月15日 21時49分16秒

大学の授業では毎回、質問や感想、要望などを学生に書いてもらっています。なかにはハッとさせられたり、なるほどと思うようなコメントもたくさんあります。

(1)上京してから障がいのある方をお見かけする機会が多くなりました。
←なるほど!私は東京生まれ東京育ちなのでその差がピンときませんでしたが、確かに東京は人口も多いし、他の都市と比べるとバリア・フリーが進んでいて、町の中で障がいのある方を見かけることは多いと思います。

(2)白杖(はくじょう)を持ったキレイな人を見ると、いつもどうやってメイクしているのだろうと不思議に思います。
←なるほど。女性ならではのコメントですね。私は自分が化粧をしないので、もしキレイな視覚障がいの女性に会っても「どうやってメイクをしているのだろう」という疑問は湧いてきませんから。ところで実際のはどうしているのでしょうね?

(3)ある学生はこんなことを書いて書いてきました。

●● ●○ ●● ●○
○● ○○ ●● ○●
●○ ○● ○○ ●○

0515点字

なんて感想を書くんだ!と半分腹を立てながらも(笑)、授業で指導した点字をしっかり身に付けてくれているのでまぁいいかとも思いました。

手話と点字のス2017年01月16日 17時55分00秒

私は現在、いくつかの大学で手話を教えています。もちろん私の専門分野は手話と聴覚障がい者福祉ですが、授業の中では目や手足、心に障害がいをもった人たちについても話しをします。

1016点字と手話のス

先日の授業で点字の学習をしたところ、一人の学生が「手話(指文字)のスと点字のスは似ていますね」とコメントをくれました。なるほど!手話と点字のスが似ているかどうかは見方によって変わりますが、今までそんなふうに手話と点字を見比べたことはありませんでした。そういう視点で改めて2つを比較してみると、他に似ているのはイぐらいでしょうか。それにしても若い学生の柔軟な発想力にはいつも驚かされます。
きれいごとではなく学生たちから学ぶことも多く、毎回楽しく教壇に立たせてもらっています。