小さい作品の方が難しい2019年06月21日 23時16分10秒

先日、個展を開いたMさんから、作品のお話を聞きました。
「小さな紙が舞っているのはカレンダー。月日の流れを表現しました」
「これは子どもの帰りを待っている女性。私の母もこうやって私の帰宅を待っていたのだろうという気持ちで描きました」
「油絵は描いては、塗りつぶし、その上に別の物が描ける。そうやって何度もやり直せるのが私向きです」

(当然のことですが)1枚1枚の絵にはそれぞれの物語があり、話を聞くとまた絵が違って見えますね。
「私の先生は、黒を使うことをあまり喜びません。だから私の絵の具は黒だけがなかなか減りません。この作品はそんな私が黒色の練習のために描いたようなものです」

20190621「待つ」

というこの絵が、今回の個展の中で、私が一番好きな「待つ」という作品です。石?レンガ?の質感や、冷たさと暖かさが同時に伝わる作品ではないでしょうか。

「大きな作品より、小さな作品の方が難しい」と聞いて私はなるほど!と思いました。確かに人前で何か話をする(または原稿を書く)とき、2時間より30分の方が難しい、15分より5分の方が難しいことは、私も仕事上でよく経験することです。そういう面では絵と共通する点なのかなぁ?
Mさん、今日は素敵なお話をありがとうございました!
次の活動(傾聴+肖像画)も楽しみにしています。