茶色の朝2020年04月06日 13時13分38秒

オレとシャルリーはいつものようにカフェで話をしていた。ところが彼が愛犬を安楽死させると切り出した時には驚いた。ペット特別措置法が政府から発表され、茶色以外の猫は全て殺処分されたことは知っていたが、それが犬にまで拡大されるとは!シャルリーのラブラドールは残念ながら茶色ではなかった。
なぜペットが茶色でなくてはならないのかオレにはよくわからないが、科学者たちによると「茶色の方が都市にふさわしいし、子どもも産みすぎず、エサも少なく済むこと」が証明されたらしい。かわいそうだけど犬は15年も生きれば死ぬのだし、科学者がそう言っているし、首相もよくやっている。それに政府に逆らうと何かと面倒だ。友人が、飼っている犬を処分するのは仕方がないことだろう。それでオレも茶色の猫を飼うことに決めた・・・

20200406茶色の朝

「茶色の朝」
フランク・パヴロフ著 大月書店