釈千手の日記帳

「ボクたちはリスやイモムシや鳥たちとよくおしゃべりをする。でも人間と話すとなるとちょっと雲行きがあやしくなってくるんだ。気の利いたジョークを、なんて言われたら完全にお手上げ！

申し遅れました、ボクの名前はレッド。そうこの辺り北アメリカでは普通に見ることができるレッドオークの木。ちなみにレッドオークの木は全て名前が「レッド」。シュガーメイプルの木は全てが「シュガー」という名前なんだ。これが木の世界の流儀。1本1本を名前で区別したりはしないのさ。これが、もし君のクラスの全員が「マイケル」という名前だったら先生は困るだろうね。

ボクは君たちが生まれるずっと前からこの町を見てきたし、君たちが死んだ後もこの町を見守り続けるつもりでいた。でもある日突然、ボクを切り倒すという話が持ち上がったんだ・・・」

一人称が木という不思議な世界。でも読んでいくうちにそれが違和感なく受け止められるようになります。

「Wishtree(願いごとの樹)」　偕成社

Katherine Applegate(キャサリンアップルケート)著