贋のビーチ2020年07月11日 21時03分16秒

島のビーチで現地の男から「面白いサングラスがあるんだ」と声を掛けられた。「こいつを掛けると本物と偽物の区別がつくんだ。すごいだろ!」オレはそんなものには興味はない。しかし断ってトラブルになるのも嫌だし、男が提示した金額もそれほど高額ではなかったので仕方なく言われた金額を支払ってサングラスを受け取り、恋人が待つホテルのプールへ向かった。途中でそのサングラスを掛けてみたら驚いた。見えるものの中に偽物があるとそれだけが赤い色に見える。例えばブランドのコピー商品だとか、遠くにいる男のカツラとか。さっきの男が言った話は本当なのだ!これはすごい買い物をしたぞ。早速彼女にも教えてやろう。プールサイドにいる彼女を見つけた。駆け寄ろうとして驚いた。彼女の目、鼻そしてあごの線が真っ赤に染まって見えていたのだ。

20200711贋のビーチ

「贋のビーチ」
原田宗典著 角川文庫

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
私は○○通訳士。漢字二文字でお答えください。

コメント:

トラックバック