どっちが得か?よ~く考えてみよう2015年03月04日 19時06分04秒

最近、今までの寄席とは違い、若手の落語家(二つ目)さん専門の寄席がオープンしました。ひとつは、去年の10月秋葉原にできた連雀亭、もうひとつは今年の3月に始まった巣鴨の獅子座です。(他にもあるかもしれませんが)
どちらも出演者は3人ですが、獅子座は木戸銭が1000円ですが、連雀亭は木戸銭が500円と半額です。それなら連雀亭の方が良いかなとも思いますが、秋葉原までは交通費が片道160円、往復で320円かかります。それに対して巣鴨までは歩いて行けますし、獅子座はお茶と和菓子のサービスもあるんですよ。往復の時間のことなど考えると軍配はやはり獅子座の方でしょうかねぇ?
○連雀亭ワンコイン寄席
「紀伊国屋文左衛門 宝の入船」☆☆
宝井琴柑(きんかん)
最初に講談についてのお話しがありました。張扇とは便利な物。パンと叩けば時間を進めることができます。それにしてもパンパンパンと3回叩いただけで「あっという間に300年」とはすごいですね。琴柑さんは元農業雑誌会社の営業ウーマン。若くて歯切れの良い語り口調ですが、あまり張扇を強く叩かれると・・・おじさんは頭が痛くなってしまいますねぇ(笑)。「宝の入船」を抜き読みで聴かせていただきました。

「あたま山」☆
柳家小太郎
前に出た琴柑さんの「講談を聴くとタメになる。落語を聴くとダメになる」にいじけていましたよ(笑)。「あたま山」はバカバカしい噺。大丈夫!誰も怒ってやしませんよ。蚊の羽音が本当に上手でした!笑いも一番取っていたと思います。

「犯人は府中にいる」☆☆☆
古今亭志ん八
鮮やかなオレンジの着物で登場。川越の「ミエル」、行ってみたいです。ちなみにフランス語でハチミツという意味があるそうです。誰かに似てるなぁとずっと思って見ていたのですが、もしかしてペネロープカーの運転手パーカー?(昔は4t車のドライバーだったそうです)
3億円事件を題材にした新作で、とっても面白かったのです。ただ、途中からちょっと展開が読めてしまったかな?

0302連雀亭

○巣鴨獅子座
「転失気(てんしき)」☆
三遊亭鳳笑
落語家さんはいろいろなところで演じますが、それにしてもカニ食べ放題のお店とはねぇ。ネタは何回聴いてもおかしい話し。転失気を杯と納得したのには、「天(てん)」の下に口と書いて「呑む」、「酒」が「しゅ」、「器」が「き」という理にかなっていたからなんですね。それにしても寺に十三代も続いたなんて(笑)!表情が豊かな鳳笑(ほうしょう)さんでした。

「珍獣動物園」(?)☆☆
古今亭ちよりん
客のお目当ては貞寿さんじゃなくてちよりんさんですよ。ご心配なく!校長室に必ずある物・・・座りにくいソファには爆笑でした。ネタは珍獣のお話しでしたが、そういえば去年10月の早朝寄席の演目は「つる」でしたね。ちよりんさんの笑顔には毎回癒されます。

「本阿弥光悦 姥捨正宗」☆☆☆
一龍斎貞寿
獅子座には釈台がまだないということでしたが、張り扇でパンパンと自分のひざを叩く話しっぷりは逆に新鮮な感じがしました。日本のダビンチ、本阿弥光悦のお話し。それにしてもこれって史実なんでしょうかねぇ。一度だけならともかく、八代将軍まで続いたというのはちょっと驚きでした。(十五代続かないところが、まぁ逆に本当っぽいところでしょうか?)貞寿さん、伝承の会も楽しみです!

ところで今日の出演者、鳳笑さんは円楽一門会(?)、ちよりんさんは落語協会、貞寿さんは講談協会とそれぞれ所属団体が異なります。なのでいっしょに出演するということは非常に珍しいことなんだそうです・・・なるほど!