あの世から(2冊目/9冊中)2017年04月30日 21時14分03秒

今年もGW期間中に1日1冊、9日間で9冊の本を読もうと挑戦中。
2日目の今日読んだのは、ドイツ人作家ドーリス・デリエの作品です。彼女は映画製作の面でも才能と実積があり、数多くの映画賞を受賞しているそうです。

0430あたし、きれい?

イーリスは死別したボーイフレンドと話をするために、霊界と交信できる女性に会いに行くところだ。1時間ほど早くついたためにカフェで時間を潰していると、一人のフィンランド人の青年に出会う。彼はこんな話をしてくれた。「ある百姓が庭でソーセージを焼いているところに、腹を空かせた悪魔の子が来た。一口あげると喜んで食べて、これは何か?と訊ねた。百姓が、これは自分の‘なに’です、と答えると悪魔の子は帰って行った。百姓は慌てて自宅に戻り自分のズボンと妻のスカートを交換する。そこへ悪魔の親がやって来た。そして百姓(本当は妻)のズボンを下ろしてパンツの中を確認すると納得して帰って行った」話を聞きイーリスは彼のことが気に入った。ボーイフレンドが死んでから人の事が好きになったのはこれが初めてだ。

独特な世界観のある短編集でしたが、この話が一番印象に残りました。他人にオススメするかと聞かれたらそうでもないのですが(笑)。
「あたし、きれい?」より「あの世から」ドーリス・デリエ著 集英社