リマトゥジュリマ・トゥジュトゥジュ2021年01月29日 10時10分14秒

高校の教師をしていた私の父は、趣味で短歌を作っていた。父は年に1~2度私に、「この歌とこの歌、どちらが良いと思う?」などと自分の作った短歌について意見を求めてきた。普段から父子で親しく話すことなどない昭和世代だし、ましては短歌の勉強などしたことのない私は、「どっちでもいいんじゃない?」とまともな返事をしたことがなかったと思う。

父が他界してから、改めて父の作った短歌を読んでみると、父が日々どのような気持ちで過ごしていたのかが垣間見える。仕事、結婚、家族、闘病・・・好きな歌もあれば、意味がよくわからない歌もある。もし今だったら、「お父さん、この歌よりこっちの歌の方が良いと思うよ」「ボクはこの歌が好きだな」「この歌、よくわからないのだけど、つまりどういう意味?」と素直に答えられると思うのだが、それはもう父には届けられない。若い時に、もっと父と話をしておけばよかったと後悔ばかり残るが、それは私が天国へ行ったときに叶えよう。

※今お父さんがいるあなた。父は何も言わないがこどものことをいつも考えていますよ。もっとお父さんと話をしてあげてくださいね(笑)!

リマはマレー語で「5」、トゥジュは「7」という意味。つまり、リマトゥジュリマ・トゥジュトゥジュは57577で短歌を意味しています。マレーシアから帰国した女子中学生が徐々に短歌の世界にはまっていく物語。私は父を思い出しながら読んでいました。あなたにもリマトゥジュリマの不思議な魔法がかかりますように。

202101229リマトゥジュ

「リマトゥジュリマ・トゥジュトゥジュ」
こまつあやこ著 講談社

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