平和賞のスピーチとしてふさわしくないとしても2009年12月11日 18時02分26秒

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当然のことながら、今日のオバマ大統領のノーベル平和賞でのスピーチは新聞やテレビでたたかれている。平和を作り出すための手段としての戦争を肯定するという論理は、確かに矛盾を内包している。この演説が平和賞にふさわしいかどうかと問われれば答えはNOだろう。

ただ、(あえて書くとすれば)このスピーチには共感できる(せざるを得ない)点も多い。
「世界には悪が存在する。非暴力運動でヒトラーの軍隊を止めることはできなかった」「アルカイダの指導者たちに武装解除するするよう、説得することはできない」

つまり、ガンジーにもジョン・レノンにも、独裁者やテロリストは止められないではないか?という主張には誰も反論ができない。戦争をなくす手段に戦争を使うべきではないという当たり前の理屈が、問題解決には無力であるという事実を誰も否定できないのだ。

「時に武力が必要だと認めることは、歴史を認識することだ。そして人類が不完全であり、理性の限界を知ることだ」と彼は続けている。そう認めることは苦しい。しかし、それが現実ならそう受け止めることのほうがむしろ潔く、賢いことのように私には思えるのだが。