喫茶店のマスター2015年07月27日 22時30分14秒

友人のレフアさんに勧めていただき早速読んでみました。
「珈琲屋の人々」は、7つの連作短篇集です。
とある喫茶店のマスター。その店に訪れる客ひとりひとりの人間模様。登場人物に感情移入しやすくあっと言う間に読み終わりました。

全体的に人の気持ちのあり方についてとても勉強になりましたし、電車やカフェで笑いをこらえられず何度もニヤニヤしてしまったりして印象に残る作品でしたが、ひとつ言えば全ての物語に男女間の問題が絡んでくるあたりにちょっと違和感を感じました。もちろん男と女の間には恋愛が絡みます。でも、中には友情、尊敬、信頼、憎しみ、嫉妬、復讐などいろいろな関係があるはず。それが全て肉体的な関係に凝縮されるのはどうなのかなぁと・・・。

0727珈琲屋の人々

「シャツのぬくもり」では、元子さんの質問に答える冬子さんのセリフが本質を突いていてなるほどなぁと思いました。
「心を忘れた少女」の中で、20万円で落とし前を付ける話が出てきましたが、実は私は実生活でも似たような話を聴いたことがあります。20万円って落とし前をつけるときのひとつの相場なのでしょうかねぇ?
「すきま風」人は騙されているとき、騙させていることに気が付いている人は少ないのでしょう(だから騙されるのか!)自分も気を付けようと思いました。
「九年前のけじめ」では保彦くんのロジックがもうひとつ理解できませんでしたが、それは説明のできない感情なのかもしれませんね。

レビューではこの珈琲屋に行ってみたいという感想を複数読みましたが、私はむしろ行介さんのようなマスターになりたいと思ったのが正直なところです。前にも書いたことがあると思いますが、ドトールやスタバではこういうことは絶対に起こりませんから。(まず、マスターがいない訳ですから)
小説を読んでいて私の中に浮かんだ行介さんのイメージは「あまちゃん」で三陸鉄道の駅長さんをやった役者さん(名前が出てこないのですが・・・)では、冬子さんのイメージは誰なのかなぁ?考えても思い付きそうで、該当者が思い当たりません。まぁ、冬子さんは冬子さんのままで良いのかもしれませんね~。
「珈琲屋の人々」池永陽著 双葉文庫
皆さんもお時間がありましたらぜひ!