アサヒ君とヨミウリ君2012年03月19日 04時00分44秒

0319靴を脱いで上がります(平成中村座)
3月19日『アサヒ君とヨミウリ君』

踵を接する
皆さんは「踵を接する」ということばをご存じですか?先日ある講演会を聞きに行ったら、このことばが出てきました。私はずっと「かかとをせっする」と読むのだと思っていたのですが、正しくは「くびす(あるいはきびす)」なんですね。そして、私は、かかととかかとが接する→つまりは「逆に」とか「反対に」という意味だとばかり思っていました。
しかし、本当は前の人のかかとと自分のつま先がくっつくぐらい「大勢の人が並んでいる」とか、「いろいろなことが次から次へと起こる」という意味なのだそうです。初めて知りました。まぁ、普段あまり使わないことばではありますけどねっ。

子どものケンカ
ある日、アサヒ君がヨミウリ君に言いました。「ヨミウリ君は遠足のお菓子は350円分までと決まっているのに1万円分のお菓子を持って行ったじゃないか!ルール違反だぞ」と。するとヨミウリ君や彼の友だちは、「そんなのはヨミウリ君だけじゃないよ。他の子だって350円以上のお菓子を持って行ったじゃないか!」「お前は他の人のことは言わないのかよ!」「それよりみんなで秘密にしていたことなのに誰がアサヒに言ったんだよ?そのことの方が問題だぞ」「だいだい350円は上限というのではなく、目安なんだ。1万円は350円程度に含まれるだろう!」という支離滅裂な意見も飛び出しました。さらにヨミウリ君は、「それに自分のお金で自分が食べたいお菓子を買って何が悪い!くやしかったらお前も買ってみろ!」「裁判でシロクロつけるか!」とエスカレートしていきます。いったい、いつ、どんなふうにこの問題は解決するのでしょうか?ただ、このケンカのおかげで最近、学級新聞を読む人が増えたような気もしますが・・・。

幕の内側にある変わった席
さて今日も歌舞伎の話でスミマセン。普通、歌舞伎は新橋演舞場とか国立劇場などの劇場で行われますが、昔は神社や広場に小屋を作って上演されていました。それを現代に再現したのが、「平成中村座」です。
今日はその中村座で行われる試演会(若手役者による勉強の場)に行って来ました。私は初めて行ったのですが、何と言っても興味があるのは3万5千円の「お大尽席」と、幕の内側にある「桜席」です。まず、4席しかないお大尽席ですが、これは2階の正面にあります。豪華なお弁当やおみやげ、人力車による送迎サービスなどが付くとはいえ、その金額には驚きますねぇ。なにしろ私がいつも見ている国立劇場の3階席(1500円)なら20回以上、歌舞伎座の幕見席(800円)だったら40回以上舞台を見られる金額ですから。また、桜席というのも驚きです。実はこの席は客席ではなく舞台の左右2階にあるのです。まぁサントリーホールなどはステージの後ろにも客席がありますが、コンサートホールには幕がありませんよね。中村座の桜席は幕が開く前、そして閉まった後の舞台も見られるのです。あの角度から舞台はどんな風に見えるのでしょうね?いつか座ってみたい席です。

さて、試演会の後は、座談会が開かれました。海老蔵さん、勘九郎さんなど有名役者さんたちから楽しいお話しを聞くことができましたが、一番うれしかったのは一時突発性難聴で舞台から離れていた中村勘三郎さんがお元気だったことです。座談会の時、ステージ上は音がやや聞きづらかったようです。仁左衛門さんが司会者の話や、共演者の話がよく聞き取れないようでした。するととなりに座っていた勘三郎さんが耳元で「今のはこういう質問ですよ」とか、「今、○○さんはこう言いましたよ」など教えていました。つまりそれだけ勘三郎さんはよく話が聞き取れていたということになりますよね!
座談会では12名の有名役者さんたちが慣れた感じで(また客を笑わせようと)余裕の受け答えだったのとは対照的に、今日の舞台に立った新人役者さんたちが「こんな大勢の人たちにご覧いただき、また勉強の機会を与えていただき感謝します。これからもさらに精進します」と緊張して話をしている姿が好感的でした。試演会は毎月行われているとのことです。またいつか見たいと思っています。