「もしボクが白人だったら・・・」2016年01月15日 22時48分22秒

映画「バレエボーイズ」を見ました。
バレエの世界では男子は少数派。その中でノルウェーの3人の中学生がバレエダンサーを目指します。三人の友情とライバル心などを描いた爽やかなドキュメンタリー映画でした。

0115バレエボーイズ

トルゲールは15才で身長が180cmになりました。成長痛のことを考えたら、これ以上背が伸びたくないと望む反面、バレエのことを考えると「できる役の幅が広がるからもっと背が高くなりたい!」と複雑な気持ちを語っています。

シーヴェルトは、アジア系(たぶんベトナム?)です。バレエで忙しいけど恋人が欲しい?と訊かれて「もし自分がノルウェー人か白人だったらカノジョが欲しい」という話しが印象に残っています。人種によるコンプレックスを垣間見ました。

ルーカスは3人の中では一番優秀で、イギリスの名門バレエ団から招集を受けます。試験に合格したときに親友二人のどっちからに先に連絡しようかと悩むぐらい友情を大切にしています。「合格したらお前の母さんはきっとフェイスブックに書くよ」と言われて「キミは人の母親に詳しいな」とツッコミを入れるところが今風で面白かったです。

それから映画に出てくる二人の先生も印象に残りました。
一人は中学校の先生です。3人の才能を信じ応援する気持ちもあるものの、「プロのダンサーになれるのはほんの一握りの人間だ。ケガをすることだってある。もしダンサーになれなかったときの選択肢もしっかり考えておきなさい」とアドバイスを送ります。

もう一人はロイヤルバレエ団のダンスの先生です。「私が良い教師かどうかはみんな次第だ。自分が一生懸命バレエやりたいと思っていれば私はきっと良い教師だろう。もし、それほど頑張りたいという気持ちがなかったとしたら、わたしはそこそこの教師だろう」と新入生の前で話します。もちろん生徒のやる気を引き出すことも指導者の仕事です。でも、結局は、主体者である生徒が先生をどう利用するのかということが重要になるのではないかと、このセリフにはとても共感しました。

「バレエボーイズ」2014年
ノルウェー 75分