釈千手の日記帳

最近、あまり歌舞伎のことを書いていないのですが、それでも月に一回は観劇に行っています。

6月国立劇場「もみじ狩り」
もみじ狩りをしに山に来た武将を、先に来ていた姫たちが誘います。宴会で酒を飲み、姫達の美しい舞いを見ているうちに武将は眠ってしまいます。すると姫がその本性を現します。その姫は実は鬼女の化身でした。いつの時代も、うまい話と美しい女性には気をつけろということでしょう。
それにしてもいくら平日の昼間とはいえ、国立劇場の3階席はこんなガラガラで大丈夫なんでしょうかねぇ？

7月国立劇場「くずの葉」
昔、命を助けてもらったキツネが、人間に化けて助けてくれた男と結婚する。やがて子どもまでもうけて幸せに暮らしていたがついてに自分がキツネだとばれてしまった。最初に右手、次に左手、そして最後には筆を口にくわえて別れの手紙を書くシーンが大変有名です。
実はこの日は何と1階席の前から4列目の席でした。迫力は満点でしたが、舞台があまりに近すぎるのと、やや上手寄りだったので舞台全体を見るのは大変でした。
よく歌舞伎通の人たちは「とちり席」と呼びますが、前から、い・ろ・は・に・・・と数えて7・8・9列目のと・ち・り席が一番舞台が見やすいといわれます。確かにあと3列ぐらい後ろだったらもっと舞台が見やすかったと思いました。

7月歌舞伎座「四谷怪談」
ご存じお岩さんの物語。忠臣蔵の世界を背景にしているために登場人物はみんな忠臣蔵に登場する人と関わりがあります。怖いお話しですが、お岩の妹が自分を売っているところに、その婚約者が女性を買いに来て、お互いに「何でお前がこんなところに！」と言うシーンでは思わず客席から笑いも起きました。幻想的な「蛍狩り」の場面は歌舞伎座では30年ぶりの上演だそうです。
ただこちらは4階の、一幕だけ観る「幕見席」でしたから、舞台ははるか遠くの方に見えましたけどね（笑）。