気の置けない仲間(新潟4日目)2010年03月15日 12時34分10秒

昨日は映画祭でしたが、同時に全国で手話の検定試験が行われました。ここ新潟会場でも多くの方に受験をしていただきました。映画祭のボランティアさんの中には「午前中受験してこちらに来ました」とか「これから検定に行ってきます」と言ってくれた人も。映画祭の打ち上げでは、検定試験のスタッフも駆けつけてくれ交流をしました。皆さんありがとうございました。
学生ボランティア
ところでこの映画祭には学生や多くの若者がスタッフとして参加しています。この4日間多くの若者に会いましたが、特に印象に残っているのは、ろうのAさん、難聴のBくん、そして健聴のCくんの3人です。

ある日3人で歩いていたとき、みぞれが降ってきました。
Aさん「みぞれって何だか中途半端よね」
Bくん「まるで難聴のオレみたいだな」
Cくん「健聴者は晴れでろう者は雪、難聴者はみぞれ・・」
Aさん「逆よ!健聴者は雪で、ろう者が晴れ・・・」
Cくん「いや、違うよ・・・!」

こんなちょっとドキッとするような会話を平気で言える仲間がいるというのは幸せですね。私の周りで、それぞれ障がいが違う男性ふたりと女性ひとりの遠慮のない手話での会話を私はずっとうらやましく見つめていました。
難聴のBくんは子どものときから「聞こえないのは悪いこと」、「相手が嫌な思いをするから聞き返してはいけない」と思っていた、そしてずっと「ろう者になりたい」と思っていたことを打ち明けてくれましたが、映画祭の成功がきっとこれからの人生への自信になったのでは?自分のコミュニケーション方法にも自分の存在もそのまま受け入れてくださいね。

さてさて、新幹線の窓からは越後湯沢あたりの雪をいただいた山々がきれいに見えます。東京までは2時間ですがしばらく座席シートを後ろに倒して、今回の旅のことを思い出しながらしばらく休むこととします。